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やまむら総合歯科・矯正歯科

唇のトレーニング(6歳)

今回、ご紹介するお子さんNちゃんは、MRC治療をはじめて4ヶ月の女の子です。

6歳です。Nちゃんはお姉ちゃんが先にMRC治療をはじめています。

Nちゃんは、お姉ちゃんのアクティビティによく一緒に来ていて、よく後ろで一緒にアクティビティをしていました。

まず、一番最初のアクティビティはリップトレーナーを使った、唇のトレーニングです。



リップトレーナーをお口の中に入れて、ストラップを引っ張ります。
引っ張られても、お口からリップトレーナーが出てこないように、しっかりお口を閉じて、口輪筋を鍛えるためのトレーニングです。

検査をしたときの動画や、アクティビティの様子を見ていると、Nちゃんは、お口を閉じないといけないという意思はあると思いますが、無意識だと空いてしまうようです。

アクティビティ中もパッと見ると、あいていることがあります。

無意識の状態で、お口が空いてしまう原因はいくつかありますが、今回はまず、お口の周りの筋肉を鍛えるところからスタートします。

お口を閉じるための筋肉がないので、意識していないとお口が空いてきてしまうのではないかと考えました。

前回は1ヶ月、リップトレーナーを頑張ってきてくれたので今回は新しいアクティビティをスタートしました。
私たちエデュケーターが”1ヶ月頑張ってきたかどうか”をどこで判断しているかというとこちらの”きろく表”です。

今日はMRC七つ道具の1つを紹介します。



毎回、アクティビティの時に持ってきていただいています。
シールがどれくらい貼ってあるかで、どのくらいできたかを見ています。

マイオブレイスは30分を2回で1時間、アクティビティは、それぞれ決められた回数をクリアしたら、シールを貼っています。

シールはこちらでご用意していますが、お家にある可愛いシールを貼ってきてくれたり、絵を描いていたり、個性溢れるファイルがたくさんあって、見るのがとても楽しみです。

他に、マイオブレイスや装置の使い方、毎回のアクティビティの資料など、お渡しした資料をこのファイルに閉じてもらっています。

最初はペラペラだったファイルが段々と分厚くなっていくのを見るとこれだけ頑張ってきたんだなと嬉しく思います。まさに努力の結晶です。

このファイルは、やまむら総合歯科・矯正歯科でMRC治療を受けているお子さん全員にプレゼントしています。



Nちゃんは、今回も唇のアクティビティです。

とっても簡単なものですが、唇の筋肉を鍛えるためのトレーニングです。

唇を巻き込み、弾いて、パンっという音を出します。


音が出るのが楽しくて、皆さん楽しそうに練習してくれています。
弟くんも後ろで一緒にやってくれました。

アクティビティはこのように鏡を見て行います。

筋肉は、とても賢いので練習した動きを記憶してくれますが、間違った方法で練習しても、間違った動きを記憶してしまうので、

「お家でも、鏡を見て自分で合っているか確認するんだよ!」

と伝えています。

スポーツも一緒ですね。正しいフォームで練習することがとても大切です。

もちろん、お子さんだけで正しい動きなのか判断することは難しい場合もあります。

そこで、ご両親にもご協力いただき、お家でも見守って頂きたいと思います。だからこそ、治療の成功を左右するのは、お子さんのやる気とご家族のご協力なのです。

もちろん、私たちエデュケーターも、ご家族で楽しくアクティビティができるようにサポートさせていただいています。

そして、この姉妹を見て驚いたことは、歯並びや、歯が生えてくる場所がそっくりだったことです。そっくりというより、ほとんど同じでした。

歯並びの遺伝の関与は2〜5%と言われています。

ただ、お子さんはご家族の話し方や癖を見て真似します。一緒にいる時間が長い姉妹なら尚更、真似してしまうのかなと思いました。それを、はじめて目の当たりにした瞬間でした。

症例:一見きれいに見える歯並び(7歳)

今回ご紹介するお子様は、今小学1年生の7歳です。

なぜ、マイオブレース矯正を始めたのかと言いますと、それは親御さんも本人も歯並びを治したいという気持ちからでした。

始める前の資料は下記の写真を見てください。




乳歯のころは歯並びはそこまで悪くないように見えますが、乳歯の時点でキツキツに並んでいるのが分かりますか?

また、こちらの画像を見てください。



永久歯と乳歯ではここまで大きさが変わってきます。(大きさは個人差があります)。

では、乳歯でいい歯並びでも永久歯に生え替わったとき歯並びはどうなるでしょうか。

歯が生えてくるスペースがなく、このまま生えてくると歯並びがガタガタになるだろうと予想がつきます。

乳歯の時点でスキマなく・きれいに歯が並んでいるお子さまの場合、このような理由で将来的に歯並びがガタガタになることが予測できるのです。


また、歯並びだけでなく、口呼吸がかなり癖になっていました。

話を聞いている時、話す間、何かに集中している時など気がついたら口が開いているため毎月注意を呼びかけ、またお家でも注意をしてもらっています。

このまま癖が治らなければマイオブレースを付けてもらっている間だけでもテープを使い強制的に口を閉じることをしていかなければなりません。

マイオブレース・アクティビティは正しい姿勢をマイオブレースをつけ口を閉じることから始まります。

そして口呼吸が治らないのと同時に、新たな癖がつき始めました。前歯を舌で押す癖がいつの間にかついていました。


矯正の装置と唇の力と舌の力の比較したとき、矯正の装置は一円玉2枚分、唇の力はリンゴ一個分、舌の力は500mlのペットボトル1本分の力があります。

矯正の装置はすごい力で動かしているように見えても、たったの一円玉2枚分の力しかかかっていないのです。その力で歯はすごい動いていきますよね。


矯正でせっかく治したのにまたガタガタになってきたという声を聞いたことはありませんか?

舌が正しい位置に置いていなかったり、舌が前歯を押す癖がずっと残っていたとしたら、せっかく高い治療費を払い治した歯並びがまた歯が出っ歯になってしまったり他のところが出てしまったりしてしまいます。

まず、舌と正しい位置に置き続けることがとても大切になってきます。

こちらのお子様は、まず初めに舌を正しい位置に置くことを癖づけること、それを目標にしています。
マイオブレース(マウスピース装置)を確認したところ、舌を置く目印となるところが取れてしまっていました。

本人が言うには、しっかり置いているつもりだったけど、前歯から舌を出すとお母さんが注意してくるから、やってしまうとのことでした。

ですので、新しいマイオブレースをお渡しして

・目印のところにこれからは舌の先をおいてほしいこと
・なぜ置かないといけないかという理由

をお子様に説明し理解をして頂いた上で意識してもらいます。自分のことだからきちんとやらないと!と言う自覚を持ってもらうのも目的です。


今は、マイオブレースにて舌の正しい位置を習慣付けながら舌のトレーニングを行っています。

舌を正しい位置に置いて、吸い上げて音を鳴らしています。

舌はほとんどが筋肉なのでトレーニングで舌の筋肉が正しい舌の使い方を覚えていきます。また、舌を上の顎に置くことによって顎の成長の促進も促していきます。

同時に何個も注意しないといけないことが多いですが、やっていくうちに慣れてそれが習慣になります。
ですが、これもお子様の健康獲得のためにとても大切なことです。

私たちと一緒にお子様を正しい成長ができるように練習していきませんか?

呼吸のトレーニング

こんにちは!エデュケーターの佐藤です。

今回は6回目のアクティビティのお子さんを紹介します。6回目のアクティビティでは、呼吸のトレーニングを行いました。


呼吸を止めた状態で、どれだけ歩けるかを数えます。

こんなに躍動感あふれる写真ですが、これは私が写真を撮るのが下手なだけで、本来は、いつも歩くくらいのペースで歩いています。笑

毎回、真剣にアクティビティに取り組んでくれて、お家でのアクティビティは、いつも100%達成してきてくれます。笑顔がとっても可愛い女の子です。

MRC治療を行なっているお子さんたちは、マイオブレイスと呼ばれているマウスピースを1日1時間(30分と30分)と就寝時にお口につけ、1ヶ月ごとに決められたアクティビティを毎日行っています。

マイオブレイスとは、このようなシリコン製のものです。


正しい舌の位置を覚えることや、お口を閉じること、正しい飲み込みの練習ができます。

つけている1時間の間は、じっとしていないといけないわけではなく、宿題をしている間や、テレビを見ている間でも構いません。ピアノを習っているお子さんは、ピアノの練習中につけています。

しかし、ただお口の中に入れているだけでは、正しい舌の位置を覚えたり、自然にお口を閉じることはできません。筋肉に正しい動きを覚えさせないといけないので、意識して口を閉じたり、正しい場所に舌をおく努力をしないといけません。

そのため、マイオブレイスには、タンタグという舌を正しい場所に起きやすいシステムが備わっています。



そして、毎日コツコツと続けることがとても重要です。悪い癖を治すというのは、簡単なことではありません。

”右利きを今日から左利きに変えること”と私は同じだと思っています。

今日からというのは難しいことですが、毎日コツコツと左手でお箸を使ったり、字を書く練習を1年続けたら、1年後には、私も左利きになれるのではないかと思います。


毎日、コツコツと続けるコツは、決められた時間に行うことかなと思います。

例えば、”ご飯を食べたらすぐに”や”宿題をするとき”など、毎日必ず行うこととセットにすると、忘れてしまうことが少なくなるのではないかと思います。

実は、マイオブレイスにはたくさんの種類があります。やまむら歯科でも、いつくかの種類を取り扱っています。



お子さんの、年齢や、治したい悪い癖によって種類を変えています。どの種類が、どういう癖に有効なのか、私たちもまだまだ勉強中です。

悪い癖というのは、治すのはとても大変なことですが、治ってしまえば、綺麗に並んだ歯並びが戻ってしまうことはありません。
自分の筋肉が、後戻り防止装置になるのです。

そして、悪い癖というのは、歯並びだけでなく、お子さんたちの正しい成長の妨げになってしまいます。

”お子さんの正しい成長”についての説明会を毎月、第四土曜日に行っています。ぜひ、たくさんの方にお話を聞いていただきたいと思っています。

そして、私たちと楽しく、悪い癖を治しましょう!

症例:前歯が外側に向いている(小学2年生)

こんにちは。エデュケーターの山田です。

今回ご紹介させて頂くださいお子様は、治療開始10ヶ月のお子様です。主訴は、歯並びの改善をしたいとのことでした。

お母様がいつも付き添いで来られるのですが初診時に歯並びについての相談がありました。真ん中の前歯が外側に向いていることが一番気になるので、いずれ矯正は行う予定と仰られていました。


こちらのお子様は、始めた年が小学校2年生だったこともあり、まずマイオブレース・アクティビティを勧めました。

大人との矯正の違いについてしっかりと説明させて頂き、今後矯正を行った時に後戻りが少ないとお伝えしたところやっていきたいとご本人・お母様から返事を頂いて始めることになりました。

なぜ後戻りが少ないかと言うと、歯並びを悪くしている根本的な原因を改善するからです。

★舌の正しい位置
★唇を閉じる
★鼻呼吸
★正しい飲み込み方

これらを改善することにより、歯が真っ直ぐ生えてくる環境を整え、悪い癖により歯並びが悪くならないようにしていきます。

当院では、主に5歳から小学4年生のお子様にお声かけをさせて頂いております。その理由は、6~8歳の時期が1番顎や顔が成長していくからです。

下記を見てください。



子供が成長していく中で、器官や機能は個々別々の発達をしていきます。一つの事柄でも、吸収しやすい時期、しにくい時期が出てきます。そこで、最も吸収しやすい時期に、その課題を与えていくのが最適です。

この発達・発達していく特性を説明するときにこの「スキャモン曲線」のグラフが使用されます。

上の顎、下の顎ともにピークが6~8歳の時です。成長のピーク時の時に、間違った癖がついてしまっていると正しい発育をしてくれません。その大切な時期に、正しい癖を身につけてもらうことがとても大切なのです。

今回行ったアクティビティは、舌を正しい位置に置いて吸い上げて音を鳴らすアクティビティを行いました。舌を正しい位置に置いてから上の顎に吸い上げて、そのまま下ろします。その際にポンっと音を鳴ります。

初めは、音が小さいお子様も毎日アクティビティを行うことにより、段々と音が大きくなっていきます。


そのようにして、舌の筋トレを行っていき、舌を思うように扱えるようになっていきます。舌の力は、とても強いです。およそ500mlのペットボトルくらい力があると言われています。

その舌を自由自在に扱えたらどうでしょうか。舌は、喋るときや食べている時以外は上の顎についています。


それが下がっていると段々と口が開いていて自然と口呼吸になっていきます。また、気道も段々と狭くなっていき、鼻呼吸だと身体に入れれる空気の量が少なく口から空気を吸うようになって普段過ごしている時もずっと口呼吸になってしまいます。

お子様は、鼻呼吸ができていますでしょうか?

アクティビティでは、舌を正しい位置に置き続けること、飲み込む時の舌の使い方、また場合によっては話すときの舌の使い方を身につけてもらいます。それにより、鼻から呼吸を行ってもらうようにします。

私たちと一緒にお子様が正しい成長ができる手助けをして行きましょう!


マイオブレースで口が閉じないときは? 唇を閉じられない原因とリップトレーナーの使い方

お子様にやってもらう事

・起きている時に一時間マイオブレースをつけてもらう事。
・アクティビティ(トレーニング)を毎日行ってもらう事。
・内容は5,10分ほどのトレーニングを2回。
・寝る時にマイオブレースをつけて寝てもらう事。


お子様に正しい成長をしてもらうため、私たちと一緒に頑張っていきませんか?

こんにちは。エデュケーターの山田です。
今回ご紹介させていただくお子様は今年12月に始めたばかりのお子様になります。

初診時は歯並びが気になるとのことで来院されました。ワイヤーの矯正かマイオブレース矯正どちらか悩まれていました。

マイオブレース矯正は本人のやる気とご両親のご協力があり成り立ちます。小さいお子様がいるとのことで付きっきりは難しいかもしれないという不安を持っていらっしゃいましたが、お子様自身がとてもやる気が見られました。

そこで、もし今後矯正を考えられているのであれば、

・マイオブレース矯正を行った方が後戻りも少ないこと
・抜歯の必要がないこと
・トレーニング自体も5、10分ほどの内容のものを2セット行うのでその間だけ付き添ってほしいこと
・ずっと付きっきりではなくても大丈夫なこと


などをお伝えしたところ、マイオブレース矯正を考慮されはじめることになりました。次の写真を見てください。


正面から見た時はそこまで気にならないのですが横から撮影した時に前歯が出ているのが分かります。唇を閉じると歯が前に出ているので意識しないと閉じられないことが多いです。

唇が閉じれないと、口がずっと空いたままになってしまいます。ですので、知らないうちに口呼吸になっている可能性が高いこと、それにより気道(首のところの空気の通り道)が細くなり、鼻呼吸からだと空気の量が少なくなってしまうため、余計に口呼吸になります。口が開いていると口の中が乾いて口臭の原因にもなります。

また、呼吸しやすい姿勢で呼吸を行うようになってしまうので猫背になっていきます。正しい姿勢をとると、気道も真っ直ぐになり空気の通り道が増えていきます。

その為、まず初めにお子様に教えている事があります。


姿勢の重要性

★正しい姿勢
★唇を閉じること
★鼻呼吸
★舌を正しい位置につけること

あとは、マイオブレースをつけてもらうことに慣れてもらいます。

マイオブレースをつけることに慣れる必要がありますので、毎日マイオブレースを少しでもいいのでつけてもらうところから始めていきます。お子様によって合わせて教えさせて頂いているのでご安心ください。

また、歯が真っ直ぐに生えてくる環境が無かったため前歯が前に生えてきてしまっていたので顎を正しく成長に導いてあげなければ他の歯も真っ直ぐ生えないかも知れません。

マイオブレースをつけても口が閉じられないときは

「装置は入れているのに、口が開いたままになってしまう」——保護者の方からいちばん多くいただくご相談です。原因はだいたい次の3つに分かれます。どれに当てはまるかで、やることが変わります。

1. 鼻がつまっている

いちばん多い原因です。鼻で息ができなければ、口を閉じることは物理的にできません。トレーニングをどれだけ頑張っても、ここが解決していなければ前に進みません。

アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、アデノイドや扁桃腺の肥大などが背景にあることがあります。まず耳鼻科で鼻の通りを確認していただくのが先決です。鼻の治療が済んだとたん、装置がすんなり入るようになるお子様は少なくありません。

2. 唇を閉じる筋肉の力が足りない

鼻は通っているのに口が開いてしまう場合、口のまわりをぐるりと囲む「口輪筋(こうりんきん)」の力が育っていないことが考えられます。ずっと口をあけて過ごしてきたお子様は、この筋肉を使う機会がないまま大きくなっています。

筋肉ですので、使えば必ず育ちます。あとでご紹介するトレーニングとリップトレーナーが、ここに効きます。

3. 前歯が出ていて、閉じようがない

上の前歯が前に出ていると、唇がその上を越えられず、意識しないと閉じられません。この場合は前歯の位置が変わっていくのを待つ必要があるため、時間がかかります。裏を返せば、治療が進んで前歯が下がってくると、自然に閉じられるようになります。

口が閉じられないと、なぜ歯並びが悪くなるのか

口が閉じられないこと自体は、見た目の問題にとどまりません。次のような輪ができあがってしまうところに、本当の怖さがあります。

口が閉じられないことで起きる悪循環 鼻がつまる 口があいたままになる 舌が下がる (低位舌) 上あごが 横に広がらない 歯が並ぶ すき間が足りない 前歯が出て さらに閉じにくい くり返す悪循環 この輪のどこかを断ち切ります
口が閉じられない状態を放っておくと、歯並びが悪くなり、その結果さらに口が閉じにくくなります。どこか一か所を断ち切らないかぎり、この輪は回り続けます。

口が開いていると、舌は上あごから落ちて下の歯の裏側におさまります。舌が上あごを内側から押し広げなくなるので、上あごは横に育ちません。すると歯が並ぶすき間が足りなくなり、前歯が前に押し出されます。前歯が出れば、唇はますます閉じにくくなります。

マイオブレースが目指しているのは、歯を並べることそのものではなく、この輪を断ち切ることです。だからこそ、装置を入れるだけでは足りず、鼻の治療とトレーニングがセットになります。

リップトレーナーとは

唇を閉じる力を鍛えるための、小さな器具です。くちびるではさんで持ち、少しずつ引っ張ることで口輪筋に負荷をかけます。腕立て伏せの、くちびる版だとお考えください。

何歳から使えますか

器具のあつかい方が理解できて、遊びではなく練習として取り組めるようになる4〜5歳ごろからが目安です。年齢よりも、本人が「何のためにやるのか」を分かっているかどうかが大切です。小さなお子様の場合は、必ず大人が見ているところで使ってください。

使い方の目安

  1. くちびるだけではさみます。歯で噛んではいけません——歯で支えてしまうと、鍛えたい筋肉が働きません
  2. そのまま、まっすぐ前にゆっくり引きます
  3. 10秒引いて、10秒休む。これを10回くり返します
  4. 1日2回、朝と夜が続けやすいタイミングです

力いっぱい引く必要はありません。「はずれそうだけど、なんとか保てる」くらいの引き加減がちょうどよい負荷です。使ったあと、くちびるのまわりが少し疲れている感じがあれば効いています。

お子様に合った器具や引き加減は、お口の状態によって変わります。当院に通われている方は、担当のスタッフに一度見せてください。使い方が少し違うだけで、効きが大きく変わります。

道具がなくてもできるトレーニング

  • ボタンプル…大きめのボタンにひもを通し、ボタンを歯の外側・くちびるの内側に入れて口を閉じます。ひもをゆっくり引っ張り、10秒こらえます。10回ほど。
  • 紙をはさむ…画用紙などを短冊に切り、くちびるだけではさんで落とさないようにします。慣れてきたら、はさんだまま30秒キープ。
  • あいうべ体操…「あー」「いー」「うー」「べー」と大きく口を動かします。「べー」で舌を思い切り下に出すのがポイントです。1日30回。

いずれも1回は1〜2分で終わります。短くても毎日のほうが、たまに長時間やるよりずっと効果があります。歯みがきのあとなど、必ず通る場面にくっつけてしまうと続きます。

寝ているあいだに口が開く・装置が外れてしまう

これもよくいただくご相談です。始めたばかりの時期に外れるのは、ごく普通のことです。眠っているあいだは意識でくちびるを閉じられないので、口輪筋の力がついてくるまでは外れます。

  • 朝、口の中に入っていた日をカレンダーに記録する…数か月単位で見ると、入っている日が確実に増えていきます。お子様のはげみにもなります。
  • 寝る直前にトレーニングをしてから装着する…筋肉が働いている状態で入れると、そのまま保ちやすくなります。
  • 横向き・うつ伏せで寝ていないか確認する…枕に押されて外れていることがあります。
  • 鼻がつまっていないか、もう一度確認する…夜だけ鼻がつまるお子様もいます。日中は大丈夫でも、寝ているときはどうかを見てください。

「続けているのに治らない」と感じたら

マイオブレースは、装置の力で歯を並べる治療ではありません。お口のまわりの機能が変わったぶんだけ、結果がついてくる治療です。そのため、次のどれかが抜けていると、何か月続けても変化が出にくくなります。

  • 鼻がつまったままになっている
  • 日中の1時間の装着ができていない
  • トレーニングが週に数回になっている
  • 寝ているあいだ、ほとんど入っていない

思い当たるものがあれば、それが伸びしろです。逆に、すべてできているのに変化がない場合は、装置の種類やサイズ、あるいは治療の進め方そのものを見直す必要があります。遠慮なくおっしゃってください。合わないまま続けるのがいちばんもったいないです。

お子様のくちびるやお口の状態で気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

小児矯正ガイドの記事

横隔膜を使った呼吸(10歳)

今回、ご紹介するお子さんは、以前も紹介させていただいたMくんです。

10歳の男の子です。7回目のアクティビティの様子をご紹介します。

まず、Mくんはとても真面目な性格で、アクティビティもマイオブレイス(マウスピース)も毎回きっちりとやってきてくれます。お話もしっかり聞いてくれて、毎回スムーズに練習できます。

「きろく表」には、シールがたくさん貼ってあります。Mくんの努力はもちろんですが、ご家族のご協力もあってのものだと思います。

前回は、横隔膜を使った呼吸のアクティビティでした。

1ヶ月練習して、横隔膜を使った呼吸はとても上手にできていました。息を吸った時にお腹が膨らんで、吐いたらへこみます。今回はそれを応用させていきます。

まず横隔膜とは肺の下にあり、膜という名前がついていますが、筋肉です。


正しい呼吸とは、横隔膜を上下に動かして行う腹式呼吸です。

腹式呼吸は、息を吸うとお腹が膨らんで、吐くとへこみます。息を吸うとき横隔膜を使うことができると、助骨が開き、肺がより膨らみます。

今回のアクティビティは、息を吐ききり、息を止めて歩きます。呼吸をする時に、鼻から呼吸をするトレーニングです。


アクティビティの様子です。
たまに頑張りすぎて、苦しくなるまで息を止めてしまい、勢い余って口から呼吸してしまうお子さんもいらっしゃいますが、口から呼吸をしたら、再度仕切り直します。

このアクティビティの内容を簡単にご説明すると、私たちの体は脳からの指令で動います。呼吸も同じです。

体の中に”100”たまる箱があるとすると、鼻で呼吸をしている場合は100溜まったら、脳から次の呼吸をするように指令が出ます。

しかし、口を開けて口で呼吸をする癖がついてしまうと、その箱は80 60 40…と、どんどん小さくなってしまうのです。

100に比べると40はすぐに溜まってしまうので、脳からの指令もたくさん出て、浅く、早い呼吸になってしまいます。

お子さんの中に、呼吸が荒く、肩を揺らしながら呼吸をしている子はいませんか?

浅く早い呼吸は、集中力がなくなったり、寝不足になったり、お子さんの健康に深く関わっていくのです。

このアクティビティでは、60 40と小さくなった箱を100に戻すことが目的です。

実は、歩く歩数には目標があります。
ここでは内緒ですが、お子さんに言うとみんなびっくりします。

目標に近づくことも大切ですが、基本に忠実に、しっかり鼻から呼吸ができることが1番大切です。もちろん、目標の歩数に到達しないと終われないなんてスパルタなものでもありません。

皆さんお家でも練習を頑張ってくれて、1回目よりたくさん歩けるようになっています。中には、ご家族で競いながらやっているお子さんもいるようです。

ご家族で楽しくできると言うお話を聞いて、とても嬉しかったです。

Mくんも、あと2回このアクティビティを行う予定なので、2回目は前回より、たくさん歩けるようになっているといいなと思います。

舌のトレーニング

今回、紹介させていただくお子さんは、これまでも2回ご紹介しているお子さんです。
呼吸のアクティビティを終えて、今日からは舌のアクティビティにレベルアップしました。

前回までの呼吸のトレーニングとは簡単にご説明すると、
“息をとめたまま何歩歩けるか”というものでした。
3ヶ月行いましたが、最初は25歩だったのが、最後には53歩も歩けるようになりました。
お家でも、歯医者さんでも頑張った成果が出ています。

今日から、舌のトレーニングが始まりました。

舌は難しいアクティビティが沢山あります。
ただ、ある日突然コツを掴み、できるようになるお子さんもたくさんいるので、
毎日コツコツ頑張ることが、とても大切です。
私もできないものがいくつかあり、できるように練習しました。

突然ですが、今この記事を読んでいる皆さん、舌はどこにありますか?
正しい場所を知っている方、いらっしゃいますか?

実は舌の正しい場所はこちらです。



ここを私たちは“スポット”と呼んでいます。
おしゃべりするときや、ご飯を食べるとき以外は舌をスポットに置きます。

舌がスポットについていないお子さんには

  • お口がいつもあいている
  • いびきをかく
  • くちゃくちゃ音を立てて食べる
  • 風邪をひきやすい

など、いくつかのサインがあります。

そして、発育や歯並びにも影響が出てしまいます。
やはり舌をスポットにつけることができていなかったので、最初の検査の時には、お口がポカンと空いていました。



このように、唇の形が富士山になっているのも、お口ポカンのサインの1つです。

今日は“舌を吸って伸ばす”アクティビティをしました。

舌を上顎にきゅっと引っ付けて、舌の後ろにある線(舌小帯)をピンっと伸ばします。これは、舌の正しい位置を覚えることや、飲み込むときの正しい舌の動かし方のサポートをします。



アクティビティの際には、このように鏡を見ながら行います。自分で見て、正しい方法を覚えて帰ってもらいます。

舌は筋肉でできているので、トレーニングをすると動きを覚えてくれます。

ただ、間違った動きで練習してしまうと、間違った方法を記憶してしまうので、お家でも正しい方法で行えるように、ご家族の方にも見てもらいながら一緒に練習をしました。

今日はじめてのはずが、とっても上手にできて、びっくりしました。

あとは、長い時間、上顎につけていられるように、お家でも頑張ってもらいます。

舌のアクティビティは、まだまだ難しいものがたくさんあるので、一つずつ丁寧に頑張っていきたいなと思います。

症例:お口ぽかんを治す|小児予防矯正

MRC治療をはじめて8ヶ月経過した10才の男の子です。
アクティビティは6回目で、横隔膜を使った呼吸のトレーニングをしています。



まず最初に行う検査で、いくつか質問をして答えてもらうのですが、「うーん」と考えている間、お口がずっと空いていました。
“おくちぽかん”と呼ばれている状態です。

この状態から考えられるのは、

・鼻からではなく、口で呼吸をしていること
・舌が正しい場所についていないこと

が、考えられます。

今回のアクティビティは、横隔膜を使った呼吸のトレーニングでした。横隔膜は肺の下にあり、膜という名前が付いていますが、実は筋肉です。

正しい呼吸とは、横隔膜を上下に動かして行う腹式呼吸です。

腹式呼吸は、息を吸うとお腹が膨らんで、吐くとへこみます。

息を吸うとき横隔膜を使うことができると、助骨が開き、肺がより膨らみます。

肺がたくさん膨らむと、空気をたくさん取り込むことができ、ゆっくりとした、優しい呼吸ができるようになります。

これをトレーニングで習得します。

ゆっくりとした、優しい呼吸は、
脳にたくさんの酸素を届けることができるようになり、
集中力アップ、
寝不足の改善が期待できます。

「子供なのに目の下にクマがある…」とご家族の方から相談を受けますが、問診をしていくと、”日中、就寝中に口がぽかんと空いている”ということが確認できます。

ここまで”横隔膜を使う”と記載してきましたが、どうやって横隔膜を使うのかというと、とても簡単です。

姿勢が良い状態で行えば、横隔膜を使うことができます。

背中が丸まっている状態では、横隔膜を使うことができません。

このMRC治療をスタートするお子さんには、「アクティビティのお部屋では、正しい姿勢で座ること」を1番最初にお約束しています。

このような契約書にサインをしていただいています。

これは、お子さんご本人と私とのお約束です。



約束を破ったら何かあるということではなく、お子さんご本人がサインをすることで「自分でやるんだ!」という意思を持ってもらうためのものです。

皆さん、丁寧にサインをしてくれています。

そして、丁度この日、3ヶ月に1度のチェックの日でした。

お家でも、毎日欠かさずアクティビティを頑張ってきてくれます。

達成率は、毎月ほぼ100%です。

アクティビティも、とても真剣に取り組んでいます。

夜寝る時にもマイオブレイスをつけていますが、たまに忘れて寝てしまうことがあるそうです。

そんなときは、同居している祖母の方が起こしてつけさせているというお話もしてくださいました。




ご家族のご協力の甲斐があって、とても良い方向に進んでいます。

横顔を見てみると、スタート時(1枚目)では、頬のラインが真っ直ぐで、平坦な顔立ちだったことがわかります。

最新のお写真(2枚目)では、丸みが出ていることがわかります。

これは、下顔面が前に正しく成長している証拠です。



歯並びを見ても、V時だった歯列がU字に変わっています。

3ヶ月後にお写真を撮って変化を見るのがとっても楽しみです。
また来月、元気に会えるのを楽しみにしています!

あいうべ体操

こんにちは。エデュケーターの佐藤です。今回は、”あいうべ体操”をご紹介します。みなさんは”あいうべ体操”をご存じでしょうか?

みなさんは”あいうべ体操”をご存じでしょうか?

やまむら総合歯科・矯正歯科に通院しているお子様にお話を聞くと「学校でやったことがある」というお子様もいらっしゃいました。

”あいうべ体操”とは福岡県にある、みらいクリニックの今井先生が提唱した、

口呼吸を鼻呼吸に改善していくための簡単なお口の体操です。

あいうべ体操は、次の4つの動作を順に繰り返します。

  1. 「あー」と口を大きく開く
  2. 「いー」と口を大きく横に広げる
  3. 「うー」と口を強く前に突き出す
  4. 「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
あいうべ体操

声は出しても出さなくてもかまいません。

(1)~(4)を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けます。

食後に10セット、一日30セットを目安に地道に続けると、舌の筋肉に力がついてきて、自然と口を閉じて鼻呼吸ができるようになります。

口呼吸を改善することは、

・虫歯や歯周病
・顎の成長や歯並び
・口腔内の乾燥

などの原因療法になります。

「あいうべ体操」をしっかり継続して、自然に鼻で呼吸ができるようになると、風邪をひきやすい体質も改善していきます。

その理由は、鼻には細菌や異物が体内に入る前にキャッチして空気をきれいにする空気清浄機のような機能があるからです。

口にはこの機能がないので、口呼吸では細菌や異物が直接体内に入ってしまうために風邪を引きやすくなるのです。

ちなみに、

あ:アトピーなどのアレルギー疾患
い:インフルエンザなど風邪、呼吸疾患
う:うつ病などのメンタル疾患
べ:便秘などのお腹の病気

このような症状にも効果があると言われています。

鼻呼吸

また、鼻呼吸は脳の働きとも深い関わりがあると言われています。

鼻呼吸には、鼻の中の血管や副鼻腔を冷やすことで脳を冷却する機能があると考えられています。

風邪で鼻がつまっているとき、頭がボーっとして働かない、という経験はどなたもあるのではないでしょうか?

これは鼻がつまって口呼吸になり、脳の温度を下げられなくなっていることが原因なのです。

さらに鼻呼吸ができていない人は睡眠中の脳波に、覚醒反応が起こることも分かっています。

お子様の睡眠が浅く、不安定になってしまうと、学習能力や集中力にも大きな影響がでてきます。

人のクセはなかなかなおるものではありません。

口呼吸のクセをなおし、鼻呼吸をするためには、

MRC小児矯正のアクティビティを毎日コツコツと続けることがとても大切になってきます。

小児矯正
きろく表

この日、MRC治療をはじめて2年が経過したお子様の記録表をチェックしました。

おうちでのアクティビティが全然できていなかったことを反省してくれているのでしょう。

「すみませんてした」とメッセージが書かれていました(笑)

毎日続けることの大切さを理解はしてくれているようです(笑)

次は、たくさんシールを貼ってきてくれることを期待していますよ!

鼻呼吸のトレーニング

こんにちは。エデュケーターの山田です。

今回ご紹介するお子様は、MRC小児矯正(マイオブレース矯正)を初めて4ヶ月経ったお子様です。
矯正を始められた主訴は、歯並びの改善と鼻呼吸ができず口呼吸になっている癖を治したい、とのことでした。

今こちらのお子様は、口を閉じて鼻で呼吸をすること、また腹式呼吸をするための練習をしています。

まず鼻を指で閉じて歩きます。そして呼吸がしたいと思ったところで止まって鼻で呼吸をする、という練習です。


鼻呼吸ができないお子様は、口呼吸になっています。

口呼吸になると、お口が開いたままなので舌の位置も下がってしまいます。

舌の正しい位置は上の顎にくっついた状態ですが、口が開いたままだと自然に舌は下顎の方におさまってしまいます。

舌が正しい位置にないと、何が問題なのでしょうか?

舌が上顎にくっついた正しい位置にないと、顎の発育が進まず顎が狭く小さくなってしまいます。

その結果、歯が生えてくるスペースがなくなりガタガタの歯並びになってしまうのです。

ですので、歯並びが悪くなる原因である口呼吸を改善するために鼻からの呼吸を練習していきます。

鼻呼吸が身につくと、他にもお子様の成長や発育に良い影響があります。

みなさんは、ボーア効果という言葉をご存じでしょうか?

ボーア効果とは、

簡単に説明すると、血液内の二酸化炭素量が変化することで、血液が酸素を取り込んだり体内に酸素を運びやすくなる効果のことを言います。

しっかり鼻から息を吸い込み、腹式呼吸でゆっくり深い呼吸することで体内の二酸化炭素が少ない環境になると、血中のヘモグロビンが酸素を取り込みやすくなります。

呼吸が深くなり、腹式呼吸ができるようになると

・ストレスが解消されリラックスできるようになる
・睡眠の質が良くなる
・血圧が下がる

など精神面・身体面に良い影響を与えます。
これは横隔膜を使った腹式呼吸をすることで、心身を鎮静状態に導く副交感神経が刺激されるからです。

もし、あなたのお子様がイライラしていることが多いのであれば、それも鼻呼吸ができず口呼吸になっているからかもしれません。

鼻呼吸ができず、体内に十分な酸素が取り込めないでいると脳が酸欠状態になってしまいます。

脳は酸欠状態になると、早く呼吸をするように体に指令を出します。

この時に働くのが交感神経という自律神経で、激しい運動や興奮状態で働く神経です。

そのため脳からの指令で呼吸がハアハアと浅く早くなっていると、訳もなくイライラしているように感じたり、緊張状態でストレスを感じるようになってしまいます。

緊張や興奮している状態は、ストレスの原因、身体の不調、集中力の欠如などの原因になります。

いかがでしょうか?

鼻呼吸ができるようになることで歯並びだけではなく、お子様の成長や発育にも良い影響があらわれます。

背筋を伸ばして鼻から大きく深い呼吸をすることを意識して練習していきましょう!

ボーア効果とは? できるだけかんたんに説明します

ひとことで言うと、血液中の二酸化炭素が増えると、ヘモグロビンが酸素を手放しやすくなるという現象です。1904年にデンマークの生理学者クリスチャン・ボーアが報告し、その名前がついています。

二酸化炭素は「体に不要な老廃物」だと思われがちですが、そうではありません。酸素を全身の細胞に届けるための、いわばの役割をしています。

酸素は「運ぶ」だけでは足りません

息を吸うと、酸素は肺から血液に入り、赤血球のヘモグロビンとくっついて全身に運ばれます。ところが、ヘモグロビンは酸素とくっついたままでは役に立ちません。筋肉や脳などの細胞に届いた場所で酸素を手放してはじめて、細胞がそれを使えます。

このとき「そろそろ手放していいですよ」と合図を出しているのが、二酸化炭素なのです。

酸素解離曲線とボーア効果 細胞のまわり(約40mmHg) 75% 60% 酸素をあまり手放さない 15%分よけいに手放す 0 20 40 60 80 100 0 25 50 75 100 血液中の酸素分圧(mmHg) ヘモグロビンの酸素飽和度(%) 二酸化炭素が少ないとき(浅く速い口呼吸) 二酸化炭素が多いとき(深い鼻呼吸)
酸素解離曲線。縦軸はヘモグロビンが酸素をくっつけたままでいる割合、横軸は血液中の酸素分圧です。細胞のまわりの酸素分圧はおよそ40mmHg。同じ40mmHgでも、二酸化炭素が多いほうが酸素を多く手放しているのが分かります。

図の読み方

細胞のまわりの酸素分圧は、およそ40mmHgです。上の図で、横軸40の位置に立てた点線を見てください。

  • 二酸化炭素が少ないとき(オレンジの線)…酸素飽和度は75%。つまり25%分しか酸素を手放していません。
  • 二酸化炭素が多いとき(緑の線)…酸素飽和度は60%。35%分の酸素を手放しています。

同じだけ息を吸っていても、血液中に二酸化炭素があるほうが、細胞に届く酸素は多くなるのです。

口呼吸だと「酸素はあるのに酸欠」になります

口をあけたまま浅く速い呼吸を続けると、二酸化炭素が必要以上に吐き出されてしまいます。血液中の二酸化炭素が減ると、さきほどの図でいうとオレンジの線の状態です。ヘモグロビンが酸素を離しにくくなります。

血液中に酸素はたっぷりあるのに、細胞には届かない。これが「たくさん吸っているのに酸欠のようになる」という状態です。深呼吸をくり返しても頭がすっきりしないことがあるのは、このためだと考えられています。

 浅く速い口呼吸ゆっくり深い鼻呼吸
血液中の二酸化炭素減る保たれる
ヘモグロビンの酸素離しにくい手放しやすい
細胞に届く酸素少ない多い
働きやすい自律神経交感神経(緊張)副交感神経(リラックス)
舌の位置下がる上あごにつく
あごの育ち方狭くなりやすい横に広がりやすい

お子様が日中ぼんやりしている、集中が続かない、寝ても疲れが取れていないように見える。そうしたことの背景に、この仕組みが隠れていることがあります。歯並びの問題と、体調や集中力の問題が、呼吸というひとつの入り口でつながっているのです。

おうちでできる鼻呼吸のトレーニング

当院で実際に行っている練習を含めて、ご家庭で取り組めるものを3つご紹介します。どれも道具はいりません。

1. 鼻つまみ歩き

この記事の冒頭でご紹介した、当院で行っている練習です。

  1. 軽く息を吸って、軽く吐きます
  2. 鼻を指でつまんで、そのまま歩きはじめます
  3. 息をしたくなったら立ち止まり、指を離して鼻でゆっくり呼吸します
  4. 30秒ほど休んで、これを5回くり返します

苦しくなるまで我慢する必要はありません。「そろそろ息がしたいな」と思ったところでやめてください。歩ける歩数を毎日メモしておくと、お子様自身が変化を実感できます。

2. 4秒吸って、6秒吐く

背筋を伸ばして座り、鼻から4秒かけて吸い、口を閉じたまま鼻から6秒かけて吐きます。吐く時間を吸う時間より長くするのがポイントです。1回3分、1日2回を目安に。

お腹に手をあてて、吸うときにお腹がふくらむのを確かめてください。胸だけが動いている場合は、まだ腹式呼吸になっていません。寝転がって、お腹の上に小さなぬいぐるみを乗せると分かりやすくなります。

3. あいうべ体操

「あー」「いー」「うー」「べー」と、口を大きく動かします。最後の「べー」で舌を下に思い切り出すのがポイントです。1日30回を目安に、お風呂の中など決まった場面で行うと続きます。舌とくちびるの筋肉が働き、口が自然に閉じやすくなります。

声を出さなくても効果はありますので、外出先でも取り組めます。

よくいただくご質問

口にテープを貼って寝るのはどうですか?

鼻がしっかり通っていることが大前提です。鼻炎やアデノイドの肥大で鼻がつまっているお子様に使うと、かえって苦しくなってしまいます。まずは耳鼻科で鼻の通りを確認していただくことをおすすめします。当院でも、お口の状態から鼻づまりが疑われる場合は耳鼻科と連携してご案内しています。

何歳から始められますか?

4〜5歳ごろから取り組めます。ただし年齢よりも、本人が「やってみよう」と思えるかどうかのほうが大切です。ご家族が「やりなさい」と言うより、一緒にやって、できた日にカレンダーへシールを貼るような形のほうが続きます。

どのくらいで変わりますか?

個人差が大きいところです。日中に口が閉じている時間が増えてきたと感じられる方が多いのは、毎日続けて数か月ほどたったころです。寝ているあいだの呼吸は意識でコントロールできないぶん、さらに時間がかかります。数週間で変化がないからといって、効果がないわけではありません。

大人がやっても意味はありますか?

あごの骨の成長を促すという意味では、お子様のほうが大きな変化が期待できます。ただし呼吸そのものを整えることは年齢を問いません。いびきや朝の口の渇きが気になる方は、ぜひ試してみてください。

お子様の呼吸や歯並びで気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。この記事でご紹介したトレーニングは、当院のMRC小児矯正(マイオブレース矯正)でも取り入れています。

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