こんにちは。愛知県刈谷市の歯医者、やまむら総合歯科矯正歯科 歯科医師 院長の山村昌弘です。
毎日しっかり歯磨きをしているし、歯医者さんでクリーニングも受けている。それなのに、「なかなか歯ぐきの腫れが引かない」「治療をしても再発してしまう」とお悩みの方はいらっしゃいませんか?
もしそうなら、その原因はお口の中だけではなく、体の内側や生活習慣にあるかもしれません。特に、歯周病を悪化させる二大リスクファクター(危険因子)として知られているのが、「糖尿病」と「喫煙」です。
この2つは、単に歯周病になりやすくなるだけでなく、治療の効果を著しく下げてしまうことが分かっています。今回は、なぜ糖尿病やタバコが歯ぐきに悪いのか、そして禁煙することで状態はどう変わるのかについて、分かりやすく解説していきます。
目次
- 負の連鎖!糖尿病と歯周病の切っても切れない関係
- 喫煙は最大の敵!タバコが歯周病を重症化させるメカニズム
- 喫煙者は治りにくい?禁煙すると改善する?
- 全身の健康のために、歯科医院ができること
- まとめ
1. 負の連鎖!糖尿病と歯周病の切っても切れない関係
まずは糖尿病との関係です。実は、歯周病は「糖尿病の第6の合併症」と言われるほど、両者は深い関係にあります。
糖尿病になると、高血糖状態が続くことで体の免疫力が低下します。すると、お口の中の細菌に対する抵抗力も弱まり、歯周病になりやすく、かつ進行しやすくなります。
さらに怖いのは、この関係が一方通行ではないことです。歯周病が悪化して歯ぐきに炎症が起きると、炎症物質(サイトカイン)が血管を通って全身に回ります。この物質が、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の働きを邪魔してしまい、糖尿病をさらに悪化させてしまうのです。
つまり、「糖尿病だから歯周病になる」→「歯周病だから糖尿病が悪化する」という、恐ろしい負の連鎖(スパイラル)が起きてしまいます。逆に言えば、歯周病をしっかり治療することで、血糖値のコントロール状態(HbA1c)が改善することも多くの研究で証明されています。
2. 喫煙は最大の敵!タバコが歯周病を重症化させるメカニズム
次に、タバコについてです。歯科医師として断言しますが、喫煙は歯周病にとって「最大のリスクファクター」です。
タバコに含まれる「ニコチン」には、血管を縮ませる作用があります。これにより、歯ぐきの血流が悪くなり、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなります。また、細菌と戦うための免疫細胞も現場に届きにくくなるため、歯周病菌が繁殖し放題の状態になってしまいます。
さらに厄介なのが、血流が悪いために「出血しにくい」という点です。通常、歯周病になると歯磨きの際に出血して気づくことが多いのですが、喫煙者の方は炎症が起きていても血が出にくいため、病気の発見が遅れてしまいます。
「痛くも痒くもないのに、気づいたら歯がグラグラで抜くしかないと言われた」というケースは、喫煙者の方に非常に多く見られます。
3. 喫煙者は治りにくい?禁煙すると改善する?
「喫煙者はやはり治りにくいですか?禁煙すると改善しますか?」というご質問をよくいただきます。
結論から申し上げますと、喫煙者の方は非喫煙者に比べて、明らかに「治療の反応が悪い(治りにくい)」です。
手術後の傷の治りが遅かったり、歯周病治療を行っても歯周ポケットが浅くなりにくかったりと、治療効果が上がりにくい傾向があります。これは、タバコによって細胞の修復能力が低下しているためです。
しかし、希望はあります。「禁煙」をすることで、お口の状態は確実に改善します。
禁煙をすると、歯ぐきの血流が回復し、免疫機能や細胞の修復能力が正常に戻ってきます。実際に、禁煙をしてから歯周病治療を行うと、治療後の経過が非喫煙者と同じレベルまで改善するというデータもあります。
「長年吸っているからもう遅い」ということは決してありません。歯を残すため、そしてインプラントなどの高度な治療を成功させるためにも、禁煙は最も効果的な治療法の一つと言えます。
4. 全身の健康のために、歯科医院ができること
糖尿病の方や喫煙者の方にとって、歯周病ケアは単にお口の掃除をするだけではありません。それは、全身の健康を守るための医療行為です。
当院では、患者様の全身状態やお薬の服用状況(お薬手帳など)を確認した上で、内科の主治医と連携を取りながら治療を進めることもあります。また、どうしても禁煙が難しい場合でも、リスクが高いことを前提とした、より頻繁で徹底的なメンテナンスプランをご提案させていただきます。
まとめ
糖尿病・喫煙と歯周病の関係について解説しました。
- 糖尿病と歯周病は、互いに悪影響を及ぼし合う「負の連鎖」の関係にある。
- タバコは血流を悪くし、免疫力を下げるため、歯周病の最大のリスクとなる。
- 喫煙者は出血などのサインが出にくく、重症化するまで気づかないことが多い。
- 喫煙者は治療しても治りにくいが、禁煙することで治療効果は劇的に改善する。
歯周病は、生活習慣病です。歯科医院でのケアと、ご自身の生活習慣の見直しを両輪で行うことが、健康な歯を守る近道です。
愛知県刈谷市のやまむら総合歯科矯正歯科では、お口の中だけでなく、患者様の生活背景まで考慮したトータルな歯科医療を提供しています。歯周病がなかなか治らないとお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。