歯並びと顔の成長には深い関係があるのをご存じでしょうか?
実は、歯並びや嚙み合わせが悪いと、顔の輪郭にまで悪影響が及ぶことは良くあります。
出っ歯や受け口、これらがとてもわかりやすい例です。出っ歯や受け口というのは、主に前歯が前方に傾いていることで現れる顔の輪郭・顔貌といえます。ですから、歯並びが変われば顔の輪郭も変わってくるのです。
今回はそんな
歯並びと顔の成長に関係性についてわかりやすく解説します。
身体が成長するように、お口の中も成長し変化していきます。お口の成長は、上顎骨と下顎骨の成長、永久歯への生え変わり、などが挙げられます。また、お口の成長と歯並びには密接な関係があります。
身体の成長は、脳に近いところから成長していきます。その後、筋肉や骨格が成長していきます。
それでは、
お口の成長はいつ頃になるのでしょうか??
顔の成長は、
5才までに40~45%
10才ごろまでに80%
20才ごろまでに成長が完了
といった成長過程で、最初に顔の幅が成長し、次に顔の長さと深さが成長していきます。
お口の成長もお顔の成長と同じ頃だろうと思う方も多いかもしれませんが、お口の成長は、上顎骨と下顎骨で違いがあり、また男女でも違いがあるので要注意です。
上顎骨はより脳に近い骨であるため、下顎骨に比べ先行して成長していき、成長のピークは5歳、そして、10歳にはほぼ完了してしまいます。
それに比べ、下顎骨は男女で違いがあり、男の子の場合は一般的に18歳ぐらいまで成長発育、女の子は14歳位ぐらいまで成長発育します。
お顔の成長は、歯の生え方、並び方によって左右されてきます。
上顎骨の成長が終わるころには、お顔は80%も成長が完了しています。また、下顎骨も同様、下顎骨の成長の後にお顔の成長が止まります。
ですので、歯並びが悪いと、それに沿ってお顔が出来上がるため、お口の成長が止まる前に歯並びがきれいになっていることが大変重要になってくるのです。
顔立ちを決める最も大きな要素は骨格です!
顔の輪郭・顔立ちはほとんど遺伝によって決まってしまうのでは?と思われるかもしれませんが、それは必ずしも正しいとは言い切れません。なぜなら、上下の顎の骨というのは、小児矯正を受けることによって発育をコントロールできるからです。子供の頃に治療を受けた方が良いのはそのためです。
ここまで、歯並びとお顔の成長について書いてきましたが、結局、お顔が成長しきる前、まだお口の成長が止まる前の段階に治療を受けるということが、最も大切だということは分かっていただけたかなと思います。
では、歯並びとお顔の成長についてわかっていただけたところで、歯並びが整い、お顔の成長が終わると、どのようなことが起こるのでしょうか?
もうお分かりですね。それは「きれいな顔立ち」を手に入れることができます!
「きれいな顔立ち」というのは、
世間一般では以下のような条件を持つ顔が美しいとされています。
・鼻筋がすっと通っている
・目鼻立ちがはっきりしている
・目と眉の距離が近い
・肌がきめ細やかでハリとツヤがある
・横顔はEラインが整っている
・歯並びが整っている
Eラインとは、鼻の先端とアゴの先端を結んだラインの事で、人差し指を鼻の先端あごの先につけた時、鼻と唇と顎が一直線上にあるとEラインが整っているとされ、美しい横顔の条件に当てはまります。
大人の私たちからすると何ともうらやましいお顔立ち!
こういった顔立ちの大人を見ると、生まれつきだし・・・とか、きっとご両親が美男美女なんだろうなぁ~なんて思っていたと思いますが、実はそれだけではなく、もしかしたら子どもの頃に、親御さんが歯並びに気が付いて、早い段階から矯正をしてくれたからかもしれません。
それによって素敵なお顔立ちになったのかも・・・と考えると、一度自分のお子様の歯並びの状態を確認したくなりますね。
自分のお子様のお顔立ちは、持って生まれた姿ですので、どんな容姿でもかわいいのは当たり前ですが、そのお子様が大人になった時、歯並びのせいでお顔にコンプレックスを持ってしまうのはかわいそうな事です。
しかも、お顔立ちだけでなく、歯並びが悪いことはたくさんのデリメットがあります。
歯並びが悪くて良かったといった話は聞いたことがありません。
顔立ち、虫歯や歯周病、上手にしゃべれない、上手に噛めない、などなど、多くのデリメットがありますので、自分のお子様がそういったことにならないためにも、親御様が注意を払ってあげてください。
言うまでもなく、歯並びは自力で治せるものではありません。
少しでもお子様の歯並びに対して「あれ?」と思うことがあったら、できるだけ早い段階で、まだお口の成長途中の段階で、歯科医院へ相談することをお勧めいたします。
子どもの歯並びに気を付けてあげられるのは紛れもない親御様です。
ですので、お顔が成長しきる前、まだお口の成長が止まる前に、ぜひ一度ご相談ください。
歯科医師 院長 山村 昌弘
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