こんにちは。愛知県刈谷市の歯医者、やまむら総合歯科矯正歯科 歯科医師 院長の山村昌弘です。
子どもが走っていて転んだり、遊具から落ちたり、友達とぶつかったりして、歯を強く打ってしまうことがあります。
「歯が折れていないから大丈夫かな」「少し血が出ているだけだから様子を見よう」と考えてしまうかもしれません。しかし、歯をぶつけた直後は見た目に大きな変化がなくても、歯の根や歯の内部、歯を支える組織にダメージが生じている場合があります。
特に乳歯と永久歯では、外傷を受けたときの対応が異なります。歯が抜けた場合も、乳歯なのか永久歯なのかによって、家庭での対応が大きく変わります。
今回は、子どもが転んで歯を打ったとき、保護者の方が最初に確認したいことや、歯科医院を受診する目安について、できるだけわかりやすく解説します。
子どもが転んで歯を打ったとき、まず大切なのは、歯だけを見るのではなく、全身の状態を確認することです。
転倒の程度によっては、歯の外傷だけでなく、唇や歯ぐきなどの軟らかい組織に傷ができたり、顔面を強く打っていたりする可能性があります。また、頭を強く打った場合には、歯の状態とは別に注意が必要です。意識がぼんやりしている、意識を失った、繰り返し吐いている、普段と明らかに様子が違うなどの症状がある場合は、歯科医院だけで判断せず、医療機関での診察を検討してください。歯の外傷では、頭部や顔面などを含めて全体を確認することが重要とされています。
全身状態に問題がなければ、口の中を確認します。出血している場合は、清潔なガーゼなどを使って、無理のない範囲で圧迫してください。歯が欠けていないか、歯の位置が変わっていないか、明らかにぐらついていないかも確認します。
ただし、痛がる子どもの口の中を無理に触ったり、強く揺らしたりする必要はありません。保護者の方が確認できる範囲で状態を把握し、歯科医院に相談することが大切です。
また、転倒直後は子どもが興奮しているため、「歯が折れていない」ということだけで判断しないようにしましょう。歯の外傷には、歯が動く、歯が歯ぐきの中に入り込む、歯を支える組織が傷つくなど、外からはわかりにくいものもあります。
歯を打ったあとに、歯が欠けている、歯がぐらついている、隣の歯と比べて位置が変わっているといった場合は、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
歯が欠けている場合は、欠けた部分を捨てずに保管しておくことをおすすめします。欠けた歯の状態によっては、治療の際に確認できる場合があるためです。ただし、欠けた部分を無理に元の位置へ戻そうとする必要はありません。
歯がぐらついている場合も、家庭で何度も触って状態を確認するのは避けましょう。歯を支える組織に外傷が生じている可能性があり、歯科医院では歯の動きや周囲の組織などを確認して、必要な処置を検討します。
さらに注意したいのが、歯の位置が変わっているケースです。強い衝撃によって、歯が本来の位置からずれたり、歯ぐきの中へ入り込んだりすることがあります。このような外傷は、見た目だけで判断せず、歯科医院で診察を受けることが重要です。永久歯の外傷では、歯の破折だけでなく、歯を支える組織への損傷も含めて診断し、経過を確認する必要があります。
また、歯を打った直後に強い痛みがなくても、安心しきることはできません。外傷後しばらくしてから歯の色が変化したり、痛みや腫れが出たりすることがあります。そのため、「今は普通に食べられているから問題ない」と自己判断せず、歯科医院で状態を確認してもらうことが大切です。
子どもの歯は成長途中にあるため、乳歯の外傷では、その下で成長している永久歯への影響も考慮する必要があります。乳歯の外傷は永久歯の発育や萌出に影響することがあるため、必要に応じて経過観察を行います。
転んで歯が丸ごと抜けてしまった場合、保護者の方が特に迷いやすいのが「抜けた歯をどうすればよいか」という点です。
ここで非常に重要なのが、抜けた歯が乳歯なのか永久歯なのかです。
乳歯が完全に抜けてしまった場合、原則として抜けた乳歯を元の場所に戻す「再植」は行いません。乳歯を再植すると、下で成長している永久歯に影響する可能性があるほか、処置そのものによる負担も考慮する必要があります。IADTの乳歯外傷ガイドラインでも、脱落した乳歯は再植しないことが推奨されています。
一方、永久歯が完全に抜けた場合は対応が異なります。永久歯の脱落は、歯科外傷の中でも緊急性の高い状態です。適切な処置をできるだけ早く行うことが、その後の経過に関わります。
抜けた永久歯を見つけたら、根の部分を直接こすったり、強く洗ったりしないことが大切です。可能であれば適切な方法で元の位置に戻すことが推奨されていますが、保護者の方が判断に迷う場合や、子どもが小さく処置が難しい場合は、無理をせず、歯科医院へ緊急に連絡してください。再植できない場合には、歯科医院へ向かうまで牛乳など適切な保存液に入れて乾燥を避ける方法があります。
なお、抜けた歯を見て乳歯か永久歯かわからない場合は、自己判断で対応を決めないことが重要です。抜けた歯を持って、できるだけ早く歯科医院へ相談しましょう。
「歯が折れていない」「歯が抜けていない」「血も止まった」という場合でも、強く歯を打ったのであれば、一度歯科医院で確認してもらうことをおすすめします。
歯の外傷では、歯の表面に明らかな傷がなくても、歯の内部や歯根、歯を支える組織にダメージが生じていることがあります。外傷の種類によっては、受傷直後には症状が目立たず、時間が経ってから歯の色の変化、痛み、歯ぐきの腫れなどが見られることもあります。そのため、受傷時の状況を歯科医師に伝え、必要に応じて画像検査などを行いながら経過を確認することが大切です。
受診時には、「いつ」「どこで」「どのように転んだのか」「歯のどの部分を打ったのか」「出血や痛みがあったか」「歯が欠けたり抜けたりしていないか」といった情報を伝えると、診察の参考になります。
特に乳歯の場合は、目の前の乳歯だけではなく、その下にある永久歯への影響にも注意が必要です。乳歯の根の近くには、これから生えてくる永久歯の芽が存在しています。そのため、乳歯に強い外傷が加わると、永久歯の発育や生える時期などに影響が出ることがあります。
もちろん、すべての外傷で大きな問題が起こるわけではありません。しかし、外傷の程度や歯の状態によって必要な対応は異なります。「大丈夫そうだから」と長期間様子を見るのではなく、歯を強く打った場合は一度歯科医院へ相談しておくと安心です。
また、歯を打った後は、しばらく歯の色や歯ぐきの状態、痛みの有無などを普段と比べて確認しておきましょう。変化が見られた場合には、改めて歯科医院へ相談してください。
子どもが転んで歯を打ったときは、まず全身の状態を確認し、そのうえで口の中を無理のない範囲で確認します。歯が欠けている、ぐらついている、位置が変わっている、強い痛みや出血がある場合は、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
特に歯が抜けた場合は、乳歯と永久歯で対応が大きく異なります。乳歯は原則として再植しませんが、永久歯の脱落は緊急性が高く、迅速な対応が必要です。抜けた歯を見つけた場合は捨てずに保管し、歯科医院へ持参してください。永久歯か乳歯かわからない場合も、自己判断せず相談することが大切です。
「見た目は大丈夫そう」と感じても、歯の内部や歯を支える組織に外傷が起きている可能性があります。子どもの歯は乳歯から永久歯へと成長していく途中にあるため、転倒などで歯を強く打ったときには、早めに歯科医院で確認しておくとよいでしょう。
やまむら総合歯科矯正歯科では、お子さまの歯の外傷についてもご相談いただけます。「転んで歯を打ったけれど、受診したほうがいいのかわからない」という場合でも、まずはご相談ください。
以上、愛知県刈谷市の歯医者、やまむら総合歯科矯正歯科 歯科医師 院長の山村昌弘でした。
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